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映画「ザ・ハント」ネタバレと考察 ネット、貧富、陰謀論、都市伝説。

PC記事上


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マンハント物に社会的メッセージを込めた。

 

ザ・ハント

あなたは狩る方か狩られる方か

 

セレブが庶民を狩る?

そう、貧富の差を大きなテーマに描いた映画です。

しかし、そんなにシンプルではありませんでした。

 

ストーリー

目覚めると猿轡(さるぐつわ)をはめられている。

↓こういうやつです。

何これ?ここどこ?でも、他にも人がいる。

恐る恐る散策すると原っぱの真ん中に大きな木箱が。

開けてみると中には大量の武器が入っていた。

さらに、木箱の中に鍵があり猿轡を外す。

みんな各々武器を手にしていると・・・

バーーン!

どこからか銃で撃たれる!

みんなパニックになりながらも散り散りに逃げていく。

中には落とし穴に落ちて死ぬ人、地雷を踏んで死ぬ人などなど。

開始すぐに数人が死んでしまう。

みんなはこれが「マナーゲートだ」と言い出す。

それはネットで噂されていた「金持ちによる人間ハンティングゲーム」の事だった。

ある3人はなんとか柵までたどり着き、それを超えて近くのガソリンスタンドに逃げ込む。

そこにいたのは老夫婦。

「どうしたの?大丈夫?」

3人の中の1人が電話を借り警察に電話するが、どうにも噛み合わない。

さらにもう1人がお店の中のお菓子を食べたところ急に苦しみだし、泡を吹いて倒れてしまう。

はっと振り向くと老夫婦はガスマスクを着けていて、ガスが充満する。

苦しみながら死ぬ3人。

「ぶっ殺してやる・・・」

なんとかその言葉を吐いた1人に対して老人が「お前の方が死ぬに値するんだよ!」と言う。

直後、無線から「もう1人そっちへ行ったわ」との連絡が来る。

その場を片付けてまた老夫婦は平然とレジに立つ。

 

カランコロンカラン

 

入店する主人公(もちろんハントされる側)。

「ここはどこ?何州?」

老人「普通はそんなこと聞かないよ?どうしたの?」と白々しい。

老婆「ここはアーカンソー州よ!」

主人公「タバコを頂戴」

老婆「8ドルです」

主人公「・・・」

そして急に老婆の顔面をテーブルに叩きつけ、レジに隠してあった銃で老夫婦を射殺。

主人公「アーカンソーではタバコは6ドルなんだよ」

 

その後、合流した男「ダン」と逃走を図る。

なんとか列車に乗り込むとそこには移民が隠れていた。

ダンは「これもすべて演技だ!」と怒るが、そこで軍隊に止められる。

英語を喋っていないところからそこがアメリカではないことがわかった。

軍隊に難民キャンプへ連れて行かれる2人。

今後、どうなるのかと身を案じているとアメリカ大使館の職員が登場。

2人は救われたと思い、車に乗り込み事の詳細を話す。

すると、大使館の男は「で、なんであんたたちなんだい?何か悪いことでもしたのか?」と執拗に質問してくる。

そこで気づいた主人公が大使館職員(に見える男)を車から蹴り出し、轢き殺す。

動揺するダンだったがトランクに(ハントされた人の)死体が入っていて確信した。

 

ここで主人公は話しだす。

「小さい頃にママがよくウサギと亀の話をしてくれたの。

亀はウサギにレースで勝つけど、そのよるウサギが亀の家に乗り込んで亀の家族を全員殺してしまうの。

そしてそこにあった夕食も全部平らげてしまうのよ。」

ダン「小さい頃にお母さんがそんな話をしてくれたのか?」

主人公「そう。強者はいつも勝つのよ。」

 

そこから2人は反撃に出る。

最初の原っぱにあった塹壕に入っていたセレブ達を全員殺し、軍事顧問で雇われていた軍人も圧倒する。

実は主人公は元軍人で中東に派遣されていたのだ。

あらかた片付いたところで無線から女の声がする。

「ダン、片付いたの?」

ダンが金持ち側であるかのような呼びかけだった。

主人公は怪しんでダンに銃を向ける。

ダン「違う!俺は関係ない!騙されるな!」

主人公「じゃあ銃を置いて!」

無線「ダン!どうしたの!はやく撃ちなさい!」

ダン「うーーーーー!」

ダンは銃を置かず、主人公に向けたので返り討ちにあってしまう。

残る敵は首謀者のボス女だけとなった。

まだ息の根があった軍人にそのボス女の居場所を聞くが「お前でも無理だ、あの女は8ヶ月もトレーニングしたんだぞ、やられるだけだ。」と言われるが場所を教えてくれる。

 

主人公は最後の敵の家に乗り込む。

ボス女「あなた達のような庶民があることないことネットに書き込んだことで私たちは大きな損害を得たのよ。あなたも8ヶ月前にネットに拡散したでしょ?」

8ヶ月前

敵女は会社の社長だったが、あるネット上のやり取りが世に出回ってしまった。

それは仲のいいセレブ達のやりとりだった。

 

「あのクソ大統領、本当になんとかしてやりたい。」

「そうね、マナーゲートやっちゃう?」

「いいねwあれやろう!」

「おい、その話はネットでは禁止だぞ」

 

当時ネットで騒がれていたセレブの人間狩り「マナーゲート」を思わせるやりとりだった。

そのせいで会話のグループにいた人はみんな仕事を辞めることになったのだ。

被害を被ったセレブ達は人間狩りをすることを決定。

ターゲットを集め始めた。

その中には「陰謀論者のYouTuber」「動物の狩が趣味の男」などなど、様々な人間がリストに上がっていた。

主人公もその1人だった。

 

ネタバレ

ボス女「あなた方がありもしないことを陰謀論にしてネットに拡散したせいでこれが起こったの。

私たちは冗談ねと言ってたの。

でも、あなた達のせいでそれが現実になったのよ。」

主人公「はて、なんのことだか」

ボス女「あなたはかわいそうな家庭で育ったのよね。

お父さんが麻薬の製造工場で死んで、お母さんが残りの麻薬でその後すぐに死んでしまった。

ロマンチックね。

あなたは定職につけず、バイトと生活保護を行ったり来たり。

そしてありもしないことをネットに書いて人を攻撃しだした。

いつも綴りが間違っているけどww」

主人公「えっと、私の父は麻薬工場で働いてないし、母は、まだ、生きてるし。

私の街には同姓同名の子がいるのよ。

間違ったんじゃない?」

ボス女「そんなはずないでしょ!」

ここで主人公とボス女の壮絶な肉弾戦が繰り広げられる。

決着がついた時、床で横になっている2人が会話する。

ボス女「本当に、あなたはやってないの?」

主人公「・・・やってないわ。」

ボス女「やっちまった・・・」

ここでボス女は息を引き取る。

 

ラスト

主人公はドレスに着替え、高級なシャンパンを手に持って家の裏手の自家用ジェットに乗り込む。

びっくりするパイロットと乗務員。

「あなた達の雇主は死んだわ。家に帰りたいの。いい?」

飛行機は離陸する。

 

感想

ストーリーの説明では全く書いていないのですが、差別がどうとか、温暖化がどうとか、貧富がどうとか、陰謀がどうとか、そんな話が折り重なっています。

いくつかの部分を考察していきたいと思います。

①主人公とボス女はどこが似ているのか

主人公が最後に乗り込む前に「あの女と似ているのよ」と言うセリフがあります。

この映画ですごく重要なセリフですがパッと聞いただけでは意味がわかりません。

これは考察なのですが「暴走するほどの正義感がある」という共通点があるのだと思います。

主人公は軍人として中東へ行っていました。

きっとテレビなどで「中東は悪い」とすり込まれ、世の中の悪を正すために軍人になって中東へ行くことになったのではないでしょうか。

しかし、現地へ行ってみると「中東が悪」という考え方が間違っていたことに気づきます。

この映画でのボス女は自分や自分の友達が「ネットの陰謀論者に貶められた」と思っています。

もちろん、その面はあるのですが、その人たちを殺したところで何も変わりません。

怒りでまだその事に気付いていないボス女と、一時期は怒りで同じ行動をとったが間違っていたと気付いた主人公は「似ている」のかもしれません。

②他のマンハント映画との違い

通常のマンハント映画は、元々イカれた人間が人を狩るのがほとんどです。

今作の面白いポイントは「人間狩りをしていないのに陰謀論でやっていると言われ陥れられた。」人の復讐なのです。

復讐としてのマンハント。

何かをしたことが噂になるのではなく、噂を現実にしたのです。

そういう意味では「ダークナイト的な構造」とも言えるかもしれません。

ダークナイトは「善があるから悪が出てくる」という考え方のジョーカーがストーリーを牽引します。

善がなければ悪も生まれない、と。

今作では「噂がなければ現実にはならなかった」話です。

確かに狩りをしているのはセレブだけど、原因は庶民になるよ、と。

③社会派部分まとめ

そのほかに出てきた社会派と言える部分をまとめて書いておきます。

クソ大統領ーお金持ちの白人に優勢なトランプをディスる構造。Qアノン的な事?

標的に黒人ー黒人も標的に入れないと差別になるという謎の配慮。

アフリカ系アメリカ人ー黒人という表現もだめ(人による)。

女性差別ー例え自分を殺そうとしていても女性を殺すのは可哀想だ、という謎の配慮。

ー豚が殺されて可哀想、毎日食べるけど。

サイを狩りする男ーその男を狩るという矛盾。

キャビアー「最高のキャビアがあります」だけど自分は食べたことがない。

シャンパンーシャンパンといい、チーズといい、金持ちの味覚は間違ってない。

辞職ー社会で地位があると、とにかく大切なのがイメージ。悪ければ嘘でも辞職。

などなど、この映画には多くのイメージやメッセージが散りばめられています。

④ダンはどっち側だったのか?

この映画の1つの大きな問題が「ダンはどっち側だったのか」です。

私は黒だと思います。

その理由は

①あの巨体でフェンスが越えられるのか。ー自由に出入りできる?

②メインのターゲットだった主人公とずっと一緒にいた。ー監視?

③大使館役や弓矢使いの女を殺すときに異常に動揺していた。ー知り合い?

④劇中で1度しか登場しないドローンを壊した。ー主人公を安心させるため?

特に③が引っかかっていますが、もちろん矛盾もあります。

もしかすると、元々は標的だったが何かの出来事で協力する事になったのか。

例えば列車から降りたときに「ハンデをあげようか?」と持ちかけられたように。

何か新しい情報があれば更新します。

 

まとめ

最近、YouTubeは陰謀論を本当かのように流布しているチャンネルや動画を規制するようになりました。

「都市伝説」感覚で楽しんでいるのが大部分だと思いますが海外では真面目に行動する人がかなり多いようです。

誰でもネットで発信できるようになった現代。

ネットへの書き込みやリツイートだけでも違法になることがあります。

誰かのちょっとした発言。

「金持ちは快楽目的で人間をハントするゲームをおこなっている!」

という文章から派生してどうでもいいような情報が集まり「陰謀論」が出来上がります。

そして、回り回って知らないだれかが職を追われ、信用を失い、人生が追い詰められていくのです。

ネットで蔓延する「陰謀論」「デマ」などは携帯でカタカタと文字を打つだけです。

あるいは動画で喋って投稿するだけです。

我々もハントの標的にならないよう、気をつけましょう。

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