映画「ミスター・ガラス」ネタバレと考察 ヒーローはなぜ実在しないのか。

アフィリエイト広告を利用しています

ここでは映画「ミスター・ガラス」のストーリーと魅力を紹介しています。

 

ミスター・ガラス

そして、全てが終わる。

 

「アンブレイカブル」から19年、「スプリット」から3年。

それぞれの作品を振り返りながら今作が何を描いているのかを考える。

ストーリー

「監視者」と呼ばれながら犯罪者を罰しているブルース・ウィルス。

誘拐事件を知りパトロールに出かける。

そこで「ビースト」と呼ばれる凶悪な人を含む多重人格者のマカヴォイに接触。

人質を解放後二人のバトルが始まる。

しかし、警察が止めに入り二人は逮捕、監禁される。

場所は「ミスター・ガラス」と自分を呼ぶサミュエルと同じ精神病院。

そこに精神科医が登場する。

彼女は「自らをヒーローやそういった能力を持った人専門」の医者だった。

3人を同じ部屋に集め、質問をしていく。

「あなたたちは自分をヒーローと思っているようだけど、違うことを証明する。」と。

ビーストには「ショットガンが効かなかったのは湿度の高い地下室で保管されていた球が威力を弱め、檻の鉄パイプを曲げれたのは何十年も前に作られた古い建物の鉄だったから。」

監視者には「悪いことをしている人がわかるのは、相手の小さな動きを見てその内面を観察できるメンタリストの能力を身につけていたから。」

と、淡々と論破していく。

ミスター・ガラスは薬を打たれてまともに会話ができない状態。

自分が普通の人なのではないかと思い始める。

夜。

薬を飲んだふりをしていたミスター・ガラスは職員をおびき出す。

そして割れたガラスで喉を切り裂く。

部屋を出てビーストを迎えにいく。

監視者は出さずに、こう話しかける。

「これからビーストを連れて街へ行く。

大惨事になるだろうな、お前はそれを止めなくてはいけない。

その鉄のドアを破って出てくるんだ。」

ビーストとミスター・ガラスは外へ出る。

自分を普通の人だと思い始めていた監視者だが、ドアに向かって体当たりを始める。

すると徐々に扉は凹み、破壊することができた。

施設の外で対面する監視者とビースト。

バトルが始まる。

全力で戦う二人。

そこへ警察がやってくる。

監視者の息子も到着し、衝撃の事実をビーストに教える。

「お前のお父さんは列車事故で死んでしまった。

でも、その列車はミスター・ガラスが爆破した列車だったんだ。

お父さん(監視者)はその列車の唯一の生き残りだ。

だからお前のお父さんはミスター・ガラスが殺したようなものなんだ!」

怒り狂ったビーストはミスター・ガラスを攻撃。

ミスター・ガラスは重傷を負って死亡する。

ビーストは正気に戻るもなぜか警察に撃ち殺される。

監視者も水で弱っているところをつけ込まれ、殺されてしまう。

実は、あの精神科医は世界から「能力者」を消す巨大な組織の一員だったのだ。

この世界にはヒーローも悪役もいらない、という考えに基づき長い間排除し続けていたのだ。

事件は解決したかに見えた。

精神科医はコミック売り場にいた。

そこでこんな言葉を耳にする。

「知ってるか、悪役ってのは真の計画を誰にも話さない。

じっくり練ってそれを実行するんだ。

必ず、裏の目的が存在する。」

嫌な予感がしたので急いで施設へ戻る。

なんと、ミスター・ガラスは施設のコンピューターに細工をし一部始終を録画した監視カメラの映像を世界に配信するように設定していたのだ。

自らの命をかけて自分たちの存在を世界に知らしめたのだ。

感想

三部作、完結編としては最高な作品でした。

音楽も良かったし、キャストも変更されず。

特に監視者の息子が大きくなっていたのには感激しました。

①世界の変化と現実とのリンク

この作品たちの凄いところは「イメージ」を操っているところです。

特に1作目「アンブレイカブル」では何気ない日常を少しずつ「ヒーローの存在する世界」に変えていきます。

最後には主人公も観客も「確かに、このレベルでなら可能かもしれない」と思ってしまう。

何もヒーローは空を飛んだりする必要はないのだ。

そんな「ちょっと普通じゃない」ことを「ヒーロー」として描くことで映画の始まりと終わりとでガラッと世界を変えています。

それでいうと2作目「スプリット」ではシンプルに悪役の誕生を描いています。

1番の見所は「演技」だと思います。

世界観でいうと大きな変化はありません。

2作目によくある「世界観は壊さずに完結編へ繋げる」という作品だと思います。

そして今作「ミスター・ガラス」では1作目の逆をやってのけます。

「地味だけどヒーローのいる世界」を思いっきり壊して見せたのです。

誰もが「そうか、ビーストも監視者もちょっと変わったただの人間か」と。

でもミスター・ガラスは自身の信念を曲げません。

真の悪役はいつでもそうであるように。

束の間の対決(これ自体はご褒美的な演出)の後、世界を一気に広げます。

それは「能力を持ったヒーローも悪役も実は昔から存在していた。

しかし、秘密組織がそれを排除している。」というものだ。

ここで再び映画と現実をリンクさせる。

「そうか、現実にはヒーローがいないんじゃなくて、消されているだけなんだ。

どこかにマーベルやDCみたいなヒーロー(の原型)が存在しているかもしれないんだ!」

なので、この映画は能力者が全員消されなくては意味がいない。

ヒーローだけ生き残るのは、やはり映画の(夢の)中だけにしておかなければならないから。

②続編は必要だったか

私個人としては「アンブレイカブル」があまりにも傑作だったため、続編はなくても良かったと考えている。

しかし、意外とブルース・ウィルスは乗り気だったようだ。

「スプリット」は演技力を見るという点、監禁ものとしては楽しめました。

ただ、それに終始してしまった。

悪を作る根源などは割とありふれたものだったし、ヒロインの誕生も「ミスター・ガラス」では意外と活かせていない。

例えばビーストが心を寄せるヒロインが監視者に恋をする、とかであればより意味があったと思う。

「ミスター・ガラス」も映画館で見る分には非常に楽しめたが、何回も見るかといえばそうでもない。

③シャマラン信者

シャマラン作品大好き人間としては、きっちり完結して一安心。

あの「エアベンダー」のよう・・・な・・ゴホゴホ

今作はどんでん返しの鬼の「シャマラン節」は控えめ。

でもそれで良かったと思います。

下手すると「夢オチ」とか「映画でした」とかに持っていきかねない。

いやいや、まさかね。

しかし今回も監督出演していました。

しかも「アンブレイカブル」と同じキャラクターとして。

さすがです、ありがとうございます。

まとめ

「アンブレイカブル」を見たことがある人は楽しめる可能性が高いです。

というか見ていない人が見ても何も面白くないのではないか。

いや、むしろ「ミスター・ガラス」を見てから「アンブレイカブル」を見ると面白いのでは!?

「アンブレイカブル」の頃の映像にシーンがプラスされていたのには驚きました。

あのブルースは多分CG?

是非、映画で確認してみてください。

シリーズ確認

今作のパッケージの「ガラス」はどこまで壊れるのか。

変わったヒーロー映画

能力の種類は少なくて、変。

「PUSH 光と闇の能力者」

ある日、能力を持った高校生。

「クロニクル」

この記事を書いた人

tetsugakuman

tetsugakuman

基本的にはダークな映画を好む。
スリラーバイオレンスホラーミステリーサバイバルSFアクションなど。