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映画「グリーンブック」ネタバレと感想 呼吸するように差別する

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hulu

リスペクトが人を動かす。

 

グリーンブック

ただの問題定義映画ではない。

 

アカデミー賞作品賞受賞を紹介するタイプのブログではないが、理由があります。

面白かったので紹介します。

ホラー好きでも楽しめました。

 

ストーリー

ガサツなイタリア系用心棒は働いていたお店が改造工事で休業する間の職を探していた。

紹介されたのは「ドクター」のドライバーだった。

面接に行くとそこには王様のように振る舞う黒人のミュージシャンがいた。

名前が「ドクター・シャーリー」なのだ。

 

まだ人種差別が色濃く残る1962年アメリカ。

ドクターはアメリカの南部(酷い人種差別ゾーン)にコンサートツアーに行くと言う。

用心棒は「黒人と南部へ?お断りだね」と面接を辞めて帰ろうとする。

ドクターは彼を呼び止め「レコード会社がいろんな人を探していたが、君の名前が出てきたのは一度ではない」と言うが用心棒は帰ってしまう。

 

ある朝、用心棒の家に電話がかかってくる。

用心棒が電話に出ると、かけてきたのはドクターだった。

彼は奥さんに代わってくれと言った。

奥さんが電話に出ると「主人をしばらくお借りしたいが、よろしいでしょうか?」と聞く。

流れに任せて了承してしまう妻。

 

こうして用心棒はドクターのアメリカ南部ツアーの運転手として雇われることになる。

そして手渡されたのが黒人が泊まれるホテルが載っているガイドブック=グリーンブックだった。

 

出発するとその破天荒な性格の用心棒とドクターは意見がぶつかる。

ドクターは几帳面で真面目、綺麗好きでしっかりしている。

一方、用心棒は破天荒で豪快、大食漢で暴言王だった。

初めはコンサート中に他のドライバー達と博打をしていたが、ドクターのピアノの演奏を始めて見た時からその素晴らしさに魅了される。

 

ある時、車がオーバーヒートして止まってしまった。

そこには奴隷として農作業をしている黒人たちが大勢働いていた。

ドクターは後部座席で綺麗な身なりで座り、用心棒が車を修理する。

 

紆余曲折、差別に次ぐ差別があったがなんとか最後の会場にたどり着く。

 

コンサート前に夕食を食べようとレストランに入ろうとするドクター。

しかし、オーナーに止められてしまう。

「差別とかではないのですが、ここの伝統なので・・・」

いつもなら甘んじてその差別を受け入れていたドクターだったが、この日はひるまなかった。

最終的に「ここで食事ができないのなら、今日はコンサートをやらない」と言いだす。

用心棒たちも「もうこんなところから帰ろうぜ」と慌てふためくオーナーを尻目に退散する。

 

ツアーも終わった。

用心棒はクリスマスまでに家に帰りたいと言い、ドクターもそれを承認する。

雪の降りしきる中、車を走らせる。

しかし、眠気と疲労で運転がままならなくなってしまったので泊まろうとドクターに提案する。

ドクターは「まだクリスマスには間に合う。俺が運転する。」と言い、用心棒の代わりに運転する。

 

ドクターに起こされた用心棒。

なんとか、クリスマスに間に合ったのだ。

「寄っていけよ!家族に会わせてやるから!」と言われたものの、ドクターは家路につく。

用心棒は家族や多くの友人に出迎えられ、楽しいクリスマスを過ごす。

一方、ドクターは執事以外誰もいない家に着く。

 

キンコーン

用心棒の家のチャイムがなる。

そこにいたのはドクターだった。

突然の黒人の訪問に絶句する家族たち。

戸惑いはあったものの、みんなで受け入れるのだった。

 

感想

良い要素がありすぎるため、誰が見ても「ここが良かった」というポイントを見つけられるはずです。

何より「差別」を描いていますが表現はユーモアに溢れ、必要以上に直接的なメッセージは盛り込まれていません。

いくつかの内容を掘り下げていきましょう。

①上司と部下

まず、はっきりと描かれているのが「上司と部下」の関係です。

お互いの立場が明確です。

ドクターは雇った側なので「上司」です。

上司はやる事が明確で、その道筋もゴールも定まっています。

用心棒は雇われているだけの「部下」です。

仕事の内容云々ではなく、お金のために仕事につきました。

初めは二人に「信頼関係」はありません。

お互いを認めていないからです。

なので、用心棒はドクターからの指摘を快く思いません。

「お金を払ってくれるボスだから、仕方なく言うことを聞く」状態です。

ここで動くのは上司です。

部下の個性を尊重しつつもダメなものは指摘する。

それも、一切の隙のない指摘だ。 

「ダメなものはダメ、なんと言おうとダメ」

用心棒の仕事は与えられた仕事を完全にこなす事です。

例えば「必ず会場ではスタインウェイ&サンズのピアノを用意してくれ」と言われる。

しかし、ある会場では汚れた汚いピアノが置いてあった。

用心棒が「おい、お願いしてたものと違うぞ、交換しろ」と言うが「黒人が何で弾いたって同じだろ」と言われてしまう。

しかし、相手を殴り飛ばし「あと3時間ある、ピアノを換えろ」と言う。

仕事を全うする素晴らしい部下である。

ツアーが進むにつれ、信頼関係も生まれ、お互いにリスペクトをして仕事をするようになる。

まさに、理想の関係である。

②息をするように差別する

日本にいると「差別」と言うものが実際にどういうものかはあまりわからない。

この映画の中で行われている差別は「意図的な」差別ではない。

どういうことかと言うと「ヘイト」ではないのだ。

「黒人嫌いだ!出て行け!」ではなく「申し訳ございません、こちらのトイレは白人専用です・・・」といった感じ。

もうそれ自体が伝統のようなもので、誰も悪いと思っていない。

だからこそより「痛い」のだ。

これこそが差別の本質なのかもしれない。

相手は決して差別主義者ではない。

それなのに差別している。

まさに、息をするように差別しているのだ。

劇中でスーツをドクターが試着しようと試着室に入ろうとする。

その時「え!?お客様、困ります。お客様はそこをご利用いただけません・・・」

別に入店した時に「黒人お断り!」と罵倒するわけでも、怪訝に扱うわけでもない。

試着室さえ使わなければスーツを購入する良いお客様だったのだ。

ただ「試着室は白人のみの使用」と言う「常識」がそれを許さなかった。

そして、最後のコンサート会場でその「常識」にドクターは立ち向かったのだ。

③カティサーク

ドクターは毎晩、1本のスコッチウイスキー「カティサーク」を飲んでいる。

色合いからしてノンビンテージではないと思うが、大きさは1000mlのように見える。

これを毎晩、(多分)1本飲んでいる。

 

それほどやってられないと言うことだ。

多分、普段は毎晩飲まないのだと思う。

だけど、差別を覚悟して南部ツアーへ行く時は毎晩のむ。

人知れず差別と戦い、その傷ついた心をウイスキーで癒そうとしていたのだと思う。

ついでだが、最後に用心棒の家に持ち込んだシャンパンはヴーヴクリコイエローラベルだったと思う。

 

まとめ

初めてアカデミー賞を取った映画を面白いと思いました。

それこそ、アカデミー賞の評価自体が白人中心の差別体制であると言う批判もあるなか、この映画が受賞した意味も大きいのではないでしょうか。

そうだ、映画の帰り道にケンタッキーフライドチキンがあるかどうかをあらかじめ探しておいてください。

もし家で見る場合は事前に買って、カティサークも準備して観ることをお勧めします。

 

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