映画「アナと雪の女王 2」感想と解釈 映画は現実への準備。

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ここでは映画「アナと雪の女王2」の感想や解釈を紹介しています。

そして秋になった。

 

アナと雪の女王2

ハッピーエンドをください!

 

1を見ないまま2を見ましたが非常に楽しめました。

2を見て1を見てもう一度2を見ました。

ストーリー

アナとエルサは小さい頃、父親にあるストーリーを聞かされる。

それは北の森のお話。

「北の森には先住民がいて、彼らは森の精霊と暮らしていた。

森の精霊とは、火、水、風、土の4つ。

我々はその先住民と友好関係を築き、ダムを作ってあげた。

しかし、完成の式典でなぜか戦いになってしまった。

その結果、森の精霊は霧で森を包んで誰も出入りできないようにしてしまった。」

王国は平和そのものだった。

ただ、エルサは自分にしか聞こえない謎の声に悩まされていた。

聞くまいと努力したがどうにも無視できず、自分の力で「4つの精霊」を起こしてしまう。

その結果、王国から火と水が消え、風が強く吹き、地震が起こった。

全員が高台に避難した時、エルサはアナに打ち明ける。

「私が精霊を起こしてしまったせいでこんなことになってしまった。」

そして例の声の主を突き止めるため、オラフとクリストフとスヴェンを連れて姉妹は旅に出る。

北の森には霧がかかっていた。

入ることもできない霧にエルサが近づくと入れるようになる。

そのまま中に押し入れられて出られなくなってしまう。

森の中には今でも戦っている王国軍と先住民がいた。

彼らは森から出られず、そこで生活していた。

そして、話を聞いていくと姉妹の父は国王、母は先住民だった事がわかる。

それでも謎の声は止まない。

さらに北に進んでいくと、そこにはボロボロの船があった。

それは両親が最後に乗っていた船だった。

(両親はその船の事故で6年前に亡くなっている)

手がかりを探していると、両親は”エルサの魔法の秘密”を解き明かすために航海に出た事がわかった。

両親の死が自分の責任だと感じるエルサ。

それは違うとなだめるアナ。

一緒に冒険を続けようとするがエルサはアナとオラフを氷の船に乗せて帰らせる。

「あなたまで私のせいで失いたくない。」

(クリストフとスヴェンは森で迷子なのでこの場にはいない)

その仕打ちにアナは激怒する。

氷の船で川を漂っていると、小さな洞窟に入っていく。

洞窟の中でアナとオラフは出口を探して彷徨う。

一方、エルサは北の海を1人で越えようとしていた。

何度も波に突き返されるが、なんとか北の大地にたどり着く。

そこには氷に閉ざされた沢山の「記憶」があった。

エルサを悩ませていた声は”戦いの中で負傷した少年(父)を助けるために助けを呼ぶ少女(母)の声”だったのだ。

そして、戦いは王国が仕掛けたものだと知る。

姉妹のお爺さん(当時の王)は王国の水害を減らすためにダムを作り、それを贈り物だとして式典で相手を呼び出し、規模や強さを知ると攻撃に出たのだった。

真相をさらに探るべく記憶の深い場所へ進んでいくとそこは凍えるような寒さでエルサも身動きが取れなくなってしまい、凍りついてしまう。

洞窟を彷徨っているアナとオラフ。

そこに氷の彫刻が出現する。

エルサの力でアナに真実を伝えたのだ。

真相を知ったアナは行動しようとするが、オラフの様子がおかしい。

「エルサが深くまで行きすぎてしまったのかもしれない・・・」

消滅していくオラフ。

エルサとオラフを失ったアナは絶望の底へ落ちていた。

しかし、何かしなくては、一歩踏み出さなくてはと心を奮い立たせ「ダムを壊す」ことを決意する。

ダムの方へ戻り、大地の巨人(精霊)を起こすとダムを壊すようにと誘導する。

そこにクリストフとスヴェンが現れ、3人で巨人をダムに引き寄せる。

そしてダムを壊すことに成功する。

この瞬間、4つの精霊の力は解け、霧が晴れエルサも元に戻る。

ダムから流れ出した大量の水が王国に押し寄せる。

このままでは王国の全ては流されてしまう。

(住民は高台に避難しているので大丈夫)

そこに、馬(水の精霊)に乗ったエルサが登場し氷でダムの水を弾き返す。

王国は無事だった。

平和が訪れたとみんなが喜んでいたが、アナは浮かない顔をしていた。

しかし、遠くから馬に乗って向かってくるエルサ。

生きていたと知ると嬉しくて泣き出すアナ。

そこでエルサはこう言う「雪だるま作る?」と。

エルサはオラフを復活させる。

さらにクリストフはこのタイミングでアナにプロポーズ。

その後。

女王だったエルサはその座をアナに譲り、自らは北の大地で精霊たちと暮らすことにする。

感想

まずは素直に面白かったです!

そして、いろんな解釈ができるところが後から後から面白くさせる。

ディズニー映画ですが「語れる」面白さ満載です。

①才能とは

エルサの力は「才能」の象徴です。

才能があるというのはいい事ばかりではありません。

望んでいなかった力の場合もあります。

特に、エルサの場合は前作で悩んだ末に「才能を発揮するけど孤独」な生き方を選択します。

今作では才能ゆえに感じる「必然性」に悩みます。

例えば、走るのがめちゃくちゃ早いけど、好きじゃない場合。

「お前がいれば俺たちのチームは優勝できるかもしれない」と言われると悩みますよね。

「関係ない」と言い聞かせ続けるか、役に立つならと期待に応えようとする人もいると思います。

そのせめぎ合いが今作の中心だと思います。

こういう話の場合、通常は「才能のない奴」の妬みがストーリーを複雑にします。

しかし、アナは全く嫉妬する事なくエルサを支えます。

その「超性善説」な感じが快感の域です。

想像してみてください。

自分の兄弟が誰もが羨む才能を持っていたら、嫉妬しますよね?

そういうイザコザがない。

それが快感ポイントですが、非現実的だと感じると、この映画は一気に面白みをなくします。

②強い女性

今作のもう1つの特徴。

それが「女性の成長の話」です。

多くの場合は、男が困難にぶつかって成長するのは主なストーリーの進み方です。

ただ、最近は「女が待っているだけ」と言う構図は受け入れられません。

アラジンを見るとよくわかるのですが、アニメ版ですとジャスミンは基本的には待っているだけです。

しかし、実写版になるとジャスミンも成長するようなストーリーが加わっています。

「今」の世の中を反映させない作品はヒットしません。

逆に言うとヒットする作品には現代の意見が反映されているのです。

今作は「才能のある女性と才能はないけど行動力のある女性が辛い経験を経て成長するストーリー」なのです。

恋愛はサイドストーリーですし、男はプロポーズしようとしているだけの存在です。

ここからは私(男)の小言ですが、このままだと男はただ力仕事するだけの存在になってしまいます。

これではいかん!

立ち上がれ男よ!

③その他の象徴

今作が面白くなかったと言う方の中に「メッセージが多すぎ」と言う声がありました。

確かにメッセージは非常に多いです。

例えば「ダム(自然破壊)はよくない」とか「いろんな民族でもわかり合おう」とか、王道のメッセージも含まれています。

これはディズニーらしいと言う事で私はスルーしました。

あとはトナカイがグルグル回るシーンは「全てはつながっている」とか「循環する」というようなメッセージかと思いました。

あの上からグルグル回るシーンを撮るってことは絶対に意味があるはずですからね。

④辛いシーン

映画にとって辛いシーンは必須です。

もちろん起承転結のために必要ということもありますが、もう1つは「成長」するためには辛いことを乗り越える必要があります。

そして、このメッセージ「成長するには辛いことを乗り越える必要がある」ということを映画で知っておく事が重要です。

そうじゃないと辛いことに出会ったら逃げるだけになってしまいます。

そんな時「エルサは逃げなかった」と自分に言い聞かせられるのです。

映画を見るたびに少しずつ学び、予習しておくことでこの現実を乗り越えれるようにする必要があります。

今作の最大のストーリー転換は「オラフ消滅」です。

当たり前ですが、キャラクターは消えてしまう、死んでしまうのは非常に悲しいです。

さらに何が悲しいかと言うと、オラフが「死んじゃう〜!」ではなく「エルサがやりすぎちゃったかも」と言うところです。

ここで十分悲しいのですが、私はこの後さらなる絶望を感じました。

それは歌の中にあるのですが「暗闇よはじめまして」と言うところ。

ダークサイドを受け入れてしまっている事が一番悲しい。

つまり「これから私は暗闇にいるんです」ということを受け入れ、宣言のような感じに聞こえてしまいます。

これを子供に見せるのはかなり気が引けます。

しかし、前作を見た子供たちに成長してもらうために、ディズニーは心を鬼にしたのではないでしょうか。

子供の成長も考えているなんて、すごいな。

⑤5つ目のエレメント

これは完全に持論です。

映画の中では5つ目のエレメントはエルサだということになっています。

しかし、実は「時間」なのではないかと思いました。

水には記憶がある、とか過去の母に呼ばれているという設定など「時間」が重要な要素です。

さらに、王国の過去の過ちを正すためのダム決壊作戦。

時を知る(過去を知り未来を作る)ための重要な要素ですし、その他の4つのエレメントの中心にあることも重要です。

もちろん「架け橋」としてのエルサがそのポジションでも問題ないのですが、時を中心に自然が調和しているという方がなんとなくしっくりきました。

エルサという1人の人間が5つのエレメントというのは荷が重い、と感じたからかもしれません。

ので、一説として書いておきました。

まとめ

何はともあれ、スーパーハッピーエンディング最高ですね。

あのハッピーエンディングのために何度でも映画を見たくなります。

最後に気になったのはオラフが「この何かしら冒険するのって定番化されたの?」と明らかな「続編あるの?」ですが、エルサがキッパリ「ないわよ」と否定しています。

前作は冬になった夏で今作が秋、あと冬と春があるのかな?と期待していますが、多分ないでしょう。

わざわざ否定しているぐらいですからね。

あと!水の表現がすごかったですね。

この記事を書いた人

tetsugakuman

tetsugakuman

基本的にはダークな映画を好む。
スリラーバイオレンスホラーミステリーサバイバルSFアクションなど。